BLUE REFLECTION RAY/澪第24話「ブルー・リフレクション」感想
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第24話感想
最高じゃん!
なにが虚無だったから1話切りだよどこかのアニメレビュー系Youtuberよおボケが!ってなってしまった。
初期のストーリーでこの作品に運命を感じた人は天才だよ。
この作品、ラスボスと化した紫乃と戦って倒す作品ではなかった、MOTHERシリーズと同じような感じで、一度はこの世にはびこる悪との縁を切るために命を捨てた少女を救済する作品だった。
聖イネスなる宗教の象徴的な教祖として信者を救済する側であるところの紫乃が実は過去に深い闇を持っていた少女で本当は彼女こそずっと助けて欲しいと救済を求めていて、巷の少女たちの想いを奪っていくのも、コモンの扉を開けて思いを管理しようとしているのも本当は自分のことを救ってほしいっちゅうメッセージで、リフレクターのみながそのことに気づき彼女を救済する、そんな作品なのを改めて思い知らされた。
そう、なんぼリフレクターとはいえ目の前の少女に敵と認識されていてもまともに戦ったらダメなんだよ、彼女はずっと誰かに助けてほしいと思っている子だから、彼女のそばに寄り添って、なぜ想いを奪いコモンを執拗に求めているのか、そんな想いに至った理由を含めて全てを知った上で抱きとめないといけなかったっちゅうわけさ。
ひげひろの荻原沙優が家出して東京に出て体を差し出しながら男の家で暮らすのと根は同じなのよ、家出をする=誰かに対する救いのメッセージ。
あの作品は住宅街にいた彼女を拾いつつも見返りを求めず手も出さなかった吉田さんがその救いのメッセージを受け取った。
ほら、あの子も親友の死の以前から家族との折り合いがつかなかったじゃない。
ただし母親の毒の強さを含めた過去の悲惨さは紫乃の方が上だけどな、勝手に教祖に仕立て上げられて自由を奪い、なにか気に入らないことがあると双子の姉の加乃を紫乃の痛みとかいって虐待したあげくそれを聖痕として写真に残し紫乃を神にする儀式とか言って殺す母親なんなんだよ…あれ完全に狂気の沙汰じゃなかったし、頭逝ってたからね。
で、リセットされた世界でなんでそんな母親から逃げるように少女たちの想いを奪うようになった紫乃がコモンの扉の開けるための最後のカギとして殊更に陽桜莉のフラグメントを求めていたかその伏線も回収されてたんだけど、なるほど、一緒に家出をした加乃を探していたところに母親を探していた陽桜莉が絡んできて手を差し伸べてくれていたのか。
ってことは、紫乃は彼女なりにコモンで管理する形で陽桜莉の想いを守ろうとしていたのかもね、家出をあの鬼親から叱責されても唯一否定されなかったのはそこだからね。
ちょうどいい塩梅で美弦が陽桜莉の姉だとわかっちゃったしな。
陽桜莉ぃ…紫乃を守りたいのに自分だけ先いっちゃう悪い面が出ちゃってたよ…
瑠夏はストーリー序盤の人と関わることに消極的だった性格からめっきり変わったね、紫乃の良きお母さんみたいな感じで陽桜莉と3人で暮らすようにまでなっていたからね、陽桜莉のついつい突進しちゃう癖がいい方向に動いてくれたよ。
美弦最後消えちゃったの…瑠夏と紫乃が置き土産みたいな感じになってたけれど、共依存が解消されたってことで、どこかで生きていてほしいな。
いやそれにしても1話から5話くらいまでは低空飛行な印象だったけれど、6話くらいから一気にストーリーの盛り上がりが急加速していったね。
失踪した姉を探す陽桜莉→リフレクターにスカウトされる→少女たちの想いを抜くリフレクターの存在を知る→追うと美弦もそこにいた→戦っていくうちに一番の大ボスは紫乃であると知る→彼女はコモンに行こうとしていて、最後のカギに陽桜莉のフラグメントが必要だった→ちょうどふってわいてきた涼楓と亜美琉を利用して想いを暴走させてコモンに到達→美弦は陽桜莉のもとへ戻る→紫乃の過去を知り彼女を助けよう!とコモンに行く→最奥部で異形と化した紫乃と会い、フラグメントの一番奥に隠された陽桜莉との思い出を使い紫乃へ戻すって完璧な流れではありませんか。
6話は美弦たちのグループにいた山田仁菜の過去回なんだけど、彼女も母親を男に殺害されたことでおこころがものすごく不安定だったときに悪い誘いがあったから乗っちゃって本当はいい子なんだよな、あの母親譲りで口悪くなっちゃったけれども。
最後にはなんだかお助けキャラみたいな位置付けにまで変わっていってたじゃない、だから本来の山田仁菜は友達想いの子なんだよね。口悪いけど。
駒川詩は…最後まで痛みは快楽キャラを崩さなかったね、何があってあの性格になったのかはわからないけれど、むしろ瑠夏たちの味方になることなく終わってくれてよかったよ。
美弦は…陽桜莉の姉だから母親が失踪したってのは共通体験なんだけど、姉の私がしっかりしないとって気持ちが強く出てきて自分のことでさえ余裕がなくなってしまったから陽桜莉の想いが負に極端に振れていることに気づくのが遅れた…ってなっちゃって、だから陽桜莉含めて他の子の想いを守ることを優先した結果今度はあそこまで行っちゃったってのを考えると…ねえ、思春期の少女は急にナイーブになって悩むことが増えるからどう接すればいいのかわからない親みたいな感じで見ていたさ。
私はオッサンだけどさ。
「マゾっ子ウタちゃん」「お寝坊ヤンキー」「時が来たわよ」なる名言が飛び出てきたし、ぬかどこやツナマヨおにぎりなんて作風から浮いてる素っ頓狂なアイテムも実は少女たちの関係をつなぐ重要アイテムだったしで今期のアニメの中では上位にランク付けするべきでしょう。
思春期、たくさんの想いを抱えて悩む少女たちをテーマに人生、このさきも想いで苦しむんならいっそのこと消したほうが穏やかになるとする少女、いや、この先の人生、辛く悲しいことばかりではなく楽しいこともあるんだからみんな想いを大切にしようと守ろうとする少女が争う、世の中誰しも実は誰にも言えない闇を抱え、その中に光も見出している、企画自体は当然こんな情勢になるはるか前に立ち上がったんだろうが、こんな情勢になっちまったからこそ見てもらいたい作品でもあった。
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