不滅のあなたへ第1話感想:楽園を目指す少年の孤独との戦い

2021年春アニメ



不滅のあなたへ第1話「最後のひとり」感想


アニメ公式サイト

アニメ「不滅のあなたへ」Season2 公式サイト
不滅のあなたへ Season2 2022年秋 放送

第1話感想

今回はありとあらゆる姿を写し取り変化できる「球」がやがて石、コケへと姿を変え、冬の猛吹雪の雪原では力尽きたレッシオオカミのジョアンの姿を傷口に至るまでコピーし意識が生まれ、二ヶ月ぶりに飼い主の少年のもとへと帰還したエピソード。

少年はすっかり周囲が雪で屋根もつぶれて朽ちた廃墟になっている集落にて1人孤独に暮らしていた、5年前に他の住人は楽園をめざしてこの集落を出ていき、ひとり残された少年は老婆とともに過ごしてきたが、老婆の死により孤独に暮らしているという。

雪もやみ空は晴れ渡ったある日、大人たちが目指した楽園はどんなところなのか、ジョアンとともにひとり楽園を目指して旅立った少年は最初は楽園の存在に期待していたが、やがて厳しい自然環境といつまでたっても全く見つからない人々と矢印にバッテン印が書かれた朽ちた集落跡と川に落ちたときに水面に張っていた氷により負傷した傷口による痛みが徐々に体を蝕んできた様子から楽園への希望よりも本当に見つかるのか不安や絶望が先に出るようになってきてしまった。

ずっと歩き続けてきて体力も奪われてきている少年は楽園を諦め再び家へと帰ることを選び、数日かけてどうにか帰還することはできたが、もう再び楽園へ行くことを挑戦するだけの気力と体力は残ってはいなかった。

少年は楽園へ行く再挑戦をすることなく息絶えた、「それ」はレッシオオカミのジョアンから少年へと姿を変え、旅立っていったのであった。

あらま、今期はNHKEテレからも新作の深夜アニメが1作品出てきた。

これで在京テレビ局は全チャンネルで深夜アニメを放映してることになるのか。

そしてやはりNHK放映と言うだけあってよさそうな作品だ。

刺激を受けると植物だけでなく人間や動物とあらゆる姿をコピーできる傍観者役の存在が、たくさんの人と出会い関わっていくなかで数々の刺激を受け取っていく、そんな作品。

まずはコケからジョアンに変化し、過去に大人たちが向かっていった楽園へ向かうべく孤独と戦いながら雪原を歩くも体に外傷を負い、道半ばにて挫折し傷がそのまま致命傷となりそのまま楽園の姿を見ることなく命を落とした少年の姿を見ていくことになった。

この少年の結末のように、5年前に大人たちも楽園の話を聞き田舎の集落を捨ててまで飛び出したはいいがこの少年のようにいつまで経っても見つからず、やがて食い物が底をつき、歩き疲れて体力もなくなり食糧集めをする気力もなくなり餓死をする、あるいは道中で仲間割れが発生し争いになった末全員命を落とした、そんな姿が思い浮かぶ。

道中の出来事や見てきたものは楽園なる誘惑に釣られて孤独との戦いに勝てなかった人物に訪れる末路、だが、あの周囲に何もない、ただ朽ちた家の跡だけが残る地ではとうていこの先ずっと死ぬまで生きていけないのもまた事実。

過酷な自然環境の中では孤独と戦うことさえ許してくれなかったってことになろうか。

傍観者は楽園を見つけられなかった少年から無念さを受け継ぎ、少年となって楽園を見つける役割を担うことになった。

いやもうはじめは楽園はどんなところなのか、いればいるほど自分は幸福になれる、先に出ていった大人たちに早く再び会いたいって期待、希望にあふれる前向きな思いが一転してえんえん続く静寂を感じ、地平線までなにもない雪原と石に描かれた矢印とバツマークをずっと見させられ、川に落ちて氷で傷を負う、なんでこんな楽園に行くのに人と会うこともなくこんな散々な目に遭わないといけないんだ…と思わされ次第に少年の不安感、絶望と後ろ向きな考えが勝るようになっていくさまが実に物悲しい。

傷が治ったらもう一度挑戦してやる!との思いも傷口の悪化により立ち上がることさえできない、本当に無念でならなかった。

傍観者が安いファンタジーの助言役でなく、少年のペットとして生きる文字通り一匹狼のレッシオオカミのジョアンってのもまた味わい深い、オオカミは本来は群れをなして生きる動物、だからジョアンもまた、ペットとして飼われる一方でずっと孤独と戦っていたのだ。

本当の楽園はあの世にあったんだ、と天使に連れられて仏教でいう極楽浄土へとたどり着く、そこでは何も苦労する必要がないし先だった大人たちとも再会でき、美味しいものが何不自由なく食べられるしたくさんの愛情も受け取れる、そんな結末は涙を誘う。

今季の作品の中ではトップでっせ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました