平家物語第3話「鹿ヶ谷の陰謀」感想
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第3話感想
3話にしていよいよ物々しい雰囲気になってきた。
前半はなかなか子を授からない徳子に栄華の象徴でもあるところの厳島神社にて子宝を祈祷しさらなる平家の発展を図ろうとし、資盛は恋する女性に気に入られようと付け焼き刃ながらも今樣を使って法皇にも接近するっちゅう話なんだけど後半だよ後半。
白山事件といまでは呼ばれている藤原基房による山寺の焼き討ちからはじまり、それが火種となって後白河法皇に忠誠を誓う重盛が事態の収縮に苦慮している間に延暦寺を経由してあっという間に勢いよく燃え広がっていき、ついにはあんなに良好だったはずの清盛重盛の親子の対立にまで発展ときたからな。
なりふりかまわず好き勝手やってきた清盛に対する民衆のみならず法皇自身の不満はついにここにきて鮮明にあらわれるようになってしまったよ。
あの密談だって取り巻く状況の変化を機敏に感じ取った法皇が側近集めて開いたんたろうしな。
安元の大火は偶発的に起こった災害かではなくやはり起こるべくして起こった災害か、この火災で重盛の屋敷が全焼したのは、これから起こる災いのほんの始まりにすぎないと言うことか。
そしてここで源頼朝の名前と後ろ姿が登場。
源頼朝がその後どのような活躍をしたかは日本史を学んだ方であればもはやご存知であろう。
いやしかしこれ胃が痛いだろうな重盛も、あんまり強く出られないのは弱気だからというよりは全体をみたときにあのくせ者だらけのなかで自分はどのように動けばよいのかがはっきり見えてこないからだろうからね。
それでも最後まで後白河法皇に忠誠をつくし、法皇をやるのであればまずは私をやってからにしろと自らの首を父に差し出す重盛の覚悟の決まりようはやはり平和な時代の終わりが告げられ、これからは武家の始まりであることを実感させてくれるよ。
時代の変化は徐々に訪れることもあれば一気に訪れることもあるんだけど今回の場合は一気に訪れることになりそう、やはり当人同士よりも近しいところにいる人物、特に、小さい子たちの方が気づくのは早いね。
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