平家物語第10話「壇ノ浦」感想
本来は3/16放映予定でしたがその日は深夜に発生した地震により放映中止となり一週延期、3/23に無事最終話と同時放映されました。
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第10話感想
三種の神器と重衡はこれはいわゆる捕虜交換を要求されたのか、そういや都落ちしたときに平家は三種の神器もいっしょに京から持ち去っていたね。
ちなみに三種の神器を所持していることこそが正式な皇室としての証となっている、つまりは平家は今自分たちがこれらをすべて所持していることで自分たちが即位させた安徳天皇こそ正統な天皇であると神器を捕虜の代わりとすることで必死になって源氏に抵抗しているのである。
なので何があろうがやすやすと後白河法皇に三種の神器を渡すわけにはいかないのが分かる。
後白河法皇が重衡の命と引き換えに三種の神器の早急な返却を求めたのははやくお前たちは負けを認めろこのやろう、負けを認めても命はないがな!と言ったところか。
一ノ谷の戦いの前後でどうやら平家は屋島(高松市の沖合にある島)に拠点をおくことができたようで、ここはかつての都である福原(神戸らへん)にもほど近く海運に力を入れていた清盛により瀬戸内海を制していたこともある平家にとっては図らずも願ったり叶ったりといったところだろうか。
彦島には平知盛(宗盛の弟)の拠点もあるし、これで瀬戸内海の守りは一応はできていると言ったところになる感じ。
源範頼が攻めあぐねた理由は兵糧とあとはやはり瀬戸内海を平家に抑えられていたこと、安芸に退いたってのは彦島に攻めようとしたがこれらの問題もありうまくできなかったためである。
その瀬戸内海もついに清経らにより制されてしまったわけだけどな!
源氏の攻めは止まらない、むしろ夜襲を仕掛けたことで短期決戦を見据えている様子だ、狙いは誰の目から見ても明らかだ。
源氏方への寝返り、入水、源氏との死闘の果ての討ち死にと平家の方はどんどん主力の人物を失っている、資盛は助命の嘆願を直接後白河法皇に出すなる明らかに命を捨てる行為とこちらから見たらわかるようなことをなんの疑いもなくしてしまうあたり精神的に相当参っているのが伺えるな。
維盛に至っては死因がはっきりしてないしな、一応は海に身投げして入水したと言われてるけれどほかの説によると病死しただの果ては沖縄に逃げたなんてのもある。
こうも死因がはっきりしていないあたりがある意味維盛らしいと言うかなんていうか。
そして出ましたよ弓の名手那須与一、彼はこの時代の人間だったのか、すっかり記憶から抜け落ちていた。
ちょうど放映日の前日、1185/3/22に行われた屋島の戦いでのワンシーン。
このあとに義経が弓を誤って海に流してしまい家来に止められながらも沖に出てまで拾い上げたんだけどこのときに「弱い弓を使っていることを平家に知られては末代までの恥になる」と発言を残しメンツを保った弓流しなんて名シーンもあるけれどこちらは省かれてしまったかな。
この時代の武士はメンツを一番にしていてことを象徴したワンシーンなんだけど、源氏の快進撃を優先したといったところだろう。
平家が驚いたのは夜襲があったにもかかわらず義経の軍勢が少なかったから、あれだけの夜襲をかけられるってことはもっと多い軍勢が攻め立ててきたんだろうと思っていたんだな。
ようやく構えられた拠点をやすやすと敵に襲われてしまいますます平家が追い立てられていくさまが実に見事に描写されていた。
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