平家物語11話感想:平家滅亡、伝説の壇ノ浦レポート

2022年冬アニメ



平家物語第11話「諸行無常」感想


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第11話感想

平家といえば壇ノ浦、壇ノ浦といえば平家(あるいは連日の深夜バスでうなされたデレクターがいるどうでしょう班、そういえば大泉は頼朝役でとある大河ドラマに出てるな)

そしてついに死闘の末に平家、そして安徳天皇が齢8(数え年、満6歳)にして壇ノ浦の海に沈んだ・・・

「波の下にも都がございますよ」と死を悟った時子が平家一門に語ったこのひとことがすべての終わりを実感させる、新しい平家の都はこの世ではなく極楽浄土にあることを意味しているのだから。

描写はなかったけれど実はこのとき三種の神器も一緒に海に沈んでいった、(このうちヤタノカガミとヤサカミノマガタマは回収されているがアメノムラクモノツルギは見つからなかったといわれている)平家は敗れたがこんにちまで続く朝廷、天皇家はあくまでも亜流に過ぎない、安徳天皇こそ日本の正流であると強い呪いをかけただろうか。

壇ノ浦の戦いは激しい瀬戸内海の潮流が勝敗を握ったわけだけど、どうも潮流についても研究がなされていて、実際は反転するほどの激しい潮流はなかったともされている。

今回の場合は潮の流れに合わせて泳ぐ生態を持つイルカの群れなる存在を示したことで戦況の変化を具体的に描写し戦いの象徴としたっていう演出を優先させたといったところかな。

あとは徳子が一度は入水しながらもびわに「そなたはこれからの世を生きる身である」として戦いの前後にびわが髪をみつあみにしていたことで見事に姿を探し当てることができたっちゅうアニオリ演出は見事だったよね(実際は宗盛らとともに源氏により引き上げられ京に護送されたが罪に問われることなく隠居生活を送ることになったのち出家した)。

ということでついにおもしろかろうと権力をひけらかしていた平家があえなく滅亡してしまった・・・

最初は瀬戸内海を掌握して次第に京や厳島、福原、大宰府と西日本の権力を掌握し夜な夜な六波羅の邸宅で来客とともに宴に明け暮れていた平家が後白河法皇との対立や重盛と清盛の早逝も相まってあれよあれよと弱体化、それでもどうにか安徳天皇を立てて権力の底力を見せるもついには源氏に追い立てられて都落ちしてついには後がなくなり壇ノ浦で滅亡するさまがものの見事に描写された。

最後に安徳天皇なる平家のよりどころが入水の末に死んだことを知るや平家の力は日本一と言わんばかりに兵どもが一斉に海に入水してあっけなく果てていくさまは本当に一時代の終焉と始まりを感じさせるものだったね。

これが諸行無常というもの、世の中は常に変化し同じ形でとどまるものはない、時代も同じことであり変化に乗り遅れたものは衰退の一途をたどる・・・

現実でも平成から令和の時代の変化は恐ろしいほどに正反対なものになったよね、実際は2009年に日本でも民主党が政権を取ったときくらいからその変化の兆しはあったんだけど、ついに令和になって早々にCの世界的流行からの宇露戦争の勃発で平和な時代が終わっちゃった。

平和な時代の終焉は2009年以降にいろんなかたちで姿を表していた、2016年における元上皇陛下の生前退位もそのかたちのひとつである。

つまりは平成までと令和からで時代が明確に区切られたのだ。

平和な時代の終焉は終身雇用や年功序列制度の終焉にも見えている、トヨタですら終身雇用は困難なんて言ってるし、一部大企業における45歳定年制度なんてのができたが、あれは45歳以上の人間はもはや仕事をしないのに給料だけは上げないといけない金食い虫になってしまっていたんだろうね。

時代の変化に取り残されてしまったものは必ず衰退する、現代の場合はSNSで誰もが発信できるようになったうえ、時代の変化があまりにも高速で取り残されやすいこともあり文句ばかりが頻出するようになったが個人的にはどうにかしがみつくことができていると思っている。

さてこれを平家物語の登場人物に目を向けると…重盛の3人のお子、維盛も資盛も清経も全身入水してるじゃないかよ、ひとりは壇ノ浦の合戦中だけど後の2人は戦とは全くの関係のないタイミングでだ。

この3人の場合、時代の変化に取り残されたと言うよりはついていけなかったパターンかな、なぜなら彼らが生まれた時はすでに清盛が政治の実権を握っていて平家の栄華はずっと続くと誰しもに信じられていたから。

時代が武家政治になっていくことなど何も知らずに育ってきた、だから戦い方も何も知らず、戦いに勝った強いものが将来の政治の実権を得る世の中になったところでついていけなかったのだ。

なので源氏が平家を討ち取ろうとしても何もできずにただ悲観的になって入水することしかできず。

弓も刀も使えず馬も乗りこなせず、当然海での戦い方なんてだーれも知らない、なんも教えられてないんだもの。

一番悲惨なのは安徳天皇だけどな、現代で言う幼稚園〜小学校に入りたての幼子が右も左もわからぬうちから祖父の政略的に突然天皇になったうえこれまたいきなり大人たちの都合で戦場に追い出され祖母により自分たちはこれから死ぬと言い渡されて拒否もできないって言うんだぜ。

ある意味では清盛の横暴な権力の被害者よ安徳天皇も。

平家物語っちゅう題材そのものが興味をひかせる内容であり、しかも時代の変化やそれにともなう価値観がまるっと180度反転するような現代においてアニメとして上質な演出や描写に乗せて映像化させていった、今期のアニメの中では一二を争うほどの上位に君臨する作品だよ。

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