平穏世代の韋駄天達第11話「腥」感想
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第11話感想
最終話にして韋駄天が一方的に有利になるわけないじゃんバカなの?ってなそんな展開になってきた。
じわじわと、そして着実に魔族が逆転を狙おうとしている、しかも格闘能力は大きく劣ることから知能で上回ろうという魂胆。
そして韋駄天が一人増えたら二人減るみたいな構図。
地下に潜ったミクとオオバミの作戦が冴え渡ってたね。
前回ラストに街を歩くミクが実は事前に連絡取り合って本物のミクと示しあわせたオオバミの変装、というか体を取り替えたものだったとは思わなかった、機械の体だから見た目は変え放題、そりゃ堂々と街を歩けるわな。
お尋ねものの貼り紙をそこらじゅうに貼られた人物が街を出歩くとみんな確保に動くのかと思いきや強いオーラ、圧力をまともに受けてちぢこまってしまい誰も動けなくなってしまうのは人間の性。
あれプロンテアがもっと近い距離にいたら一発で取っつかまえられていたからね。
あと、デパートのなかでプロンテアも誰もよく知らない着替え中の女性に成りすますのもミクは変装したことがないから変装することはないだろうってな思い込みを利用したいい作戦だった。
しかも脳筋だらけの韋駄天のなかで唯一の知能派のイースリイをまっさきに捕らえる作戦もドンピシャでハマってるじゃない。
韋駄天の面々は脳筋だから誰かが捕らえられたことにすぐには気づかない、何日か姿を見せないことでようやく気づくくらいの脳筋だからね、作戦の遂行なんてチョロかっただろうな。
魔族側は何から何までうまく動いていた印象。
一方でイースリイによりずっと洗脳させられてきたコリーはイースリイとポーラが実験っちゅう名で体がぐっちゃぐちゃになっているいることを知りなにやら思うことがあるようだ。
あの体、思念体なのに血管はあるのか。
まあ洗脳されたとはいえつい最近までともに行動していた人物と四肢を切り取られた姿で再会するなんて思うわけがないよな。
とはいえ魔族が国を滅ぼされた復讐と言わんばかりのエグいやり方にコリーは複雑な感情を抱いてしまった様子。
でも魔族も魔族で韋駄天たちの猛襲で国を捨てることを余儀なくされ、大勢の魔族が殺されたことでどこかの知らない牧場にあるサイロの地下施設にまで落ち延びてるしなあ。
ギルは聖職者から生まれた韋駄天ということもあってリンの無茶苦茶な修行に思うところがあるのかな、魔族を倒すのに極限を超えた強さにする必要はあるのかっていうね。
実際はその強さってのは戦闘そのもので機能するのではなく、その圧倒的な戦力差を見せつけることで戦闘を躊躇させるする抑止力として機能するわけなんだけど、聖職者として「平和」な状態は戦争を起こさせない負の方向から作り出していいものなのかっていう考えになってる感じかな。
正の方向から平和にすべきなのではないのか?この場合は民族種族宗教の垣根をとっぱらった一つの世界を作ればいいのでは?って考えね。
でもよくよく考えたら国ってさ、隣の国と仲良かったら統一するし、中央政府から政治的にも経済的にも宗教的にも民族的にも…なにかと冷遇され対立してる地域の人間が自分たちの国を作った方がまともになると思うから戦ってまで分離独立しようとするんだよね。
だからWe Are The Worldみたいな未来ってどう考えても無理だろって個人的には思ってる。
本編ここで終わりなの!?
まだ魔族による韋駄天への反撃が始まったばかりってなところだよ。
韋駄天の肉体使って実験するのもこれ対韋駄天対策でしょうから魔族もいよいよ本気になってきたことを示したその矢先だぞ。
結局あれなんかな、当作品は韋駄天を軍事大国アメリカやかつてのナ○スドイツに見立ててるんかな、そんなことをふと考える。
あの戦力の高さとすばしっこさはそうとしか思えない。
ナ○スは特定の人種を収容所にぶち込んで徹底的に絶滅しようとしてたし、アメリカは平穏を乱す輩が世界のどこかに出てきては軍事的にちょっかいかけて介入してきてはその対象となった国に混乱ばかり起こさせてるし、保持してる武器は軽く一国滅ぼせるし、その国が滅亡してもなんも考えてなさそうだし。
そんな印象を受けた。
魔族はおそらく中国かな、いまや中国は武力で戦うことよりも石炭輸入規制でまともに発電できなくなってることや大手不動産会社のデフォルト危機ってのが重くのしかかってきているわけだが、ちなみに中国のバブルが弾けたら全世界がまともに影響を受ける。
でもアメリカは中国に宣戦布告する理由がないと戦争しないし、いま戦争してもアメリカの状況も悪くなるのは知ってるし、だから積極的に国を滅ぼすことは国際情勢よく分かってない人間が何の手違いで大統領にならない限りはしないよ。
だとすると封印した魔族ってのはなんの比喩になるんだろう、昔の大日本帝国?
日本だけだっけ、アメリカとガチでドンパチ何年も使って戦ったのは。
原爆まで使い、あのとき戦艦ミズーリ号で降伏しなければ秋冬くらいから本土決戦も作戦に組み込んでいたってのはそういうことでしょう。
だから日本をとことん骨抜きにすることで二度と宣戦布告させないように憲法も作って封印した…それの比喩になるんかな。
そのアメリカと日本と中国の関係を皮肉って描いた…なんて考えは思い込みが激しいかな。
とにもかくにも当作品は今期トップ5には入るおもしろさだったね。
不穏な動きを見せる魔族たちのその後を含めた続編に期待をしております。
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