ルパン三世PART6第1話「EPISODE 0 ―時代―」感想
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第0話感想
配信サイト増えたね、PART5はニコニコ動画で見てたのが、今シリーズはAbemaやdアニメストアが増えたからかなり見やすくなった。
第0話が存在することの意味がわかった。
そう、ルパン三世がアニメとなってからの50(+2)年間、パイロットフイルム版からずーーっと次元大介役を演じていた小林清志氏への制作陣からの惜別のメッセージがここにこめられていたのだ!!
出てきたウイスキーの銘柄が1971なのは旧ルの放映が1971年だったから。
ラストにルパンがアニメにおける原点回帰の緑ジャケを来たのはルパンはこれからも終わらない、新たなメンバーでのルパンが始まっていくって意味。
エンディングが新ルのオープニングだったルパン三世’80なのがまた次元の演歌でもJ-POPでもない、それでいてワイルドな生き様を示していて粋なのよね。
そして次回予告のときのBGMが本当のオープニングテーマなのかしらね。
さて本編はというと、あれよあれよと移り変わる時代の流れの速さを実感したことで、そんな時代の流れにいち早く乗ろうとするルパンと、逆に今のハイテク化した時代を味気ない、つまらないものだとする次元の別れの時が訪れてしまったっちゅう話。
前シリーズのPART5ではハッカー少女や仮想通貨も含めた現代のデジタルガジェットが多数出てきてそれをルパンも颯爽と使いこなしていたけれどその流れをくんでいた感じかな。
機械化やIT技術の発展は本当にギュウギュウの通勤電車に乗って朝から夜まで働かなくても、毎日動画を投稿、配信して視聴者に新たな価値を生み出した方がお金を稼げるようになるってくらいには生き方そのものまで変えてしまったからね。
いやこれは本当にそう、年功序列で勤続年数に応じて給料を上げると人間は働かなくなることがわかっちゃったから会社って従業員に必要以上に給料上げなくなっちゃったのよ。
これ政治の問題でも経済の問題でもなんでもなく、アンダーマイニング効果っていう心理的な現象が発生して、仕事の目的が給料になることでやる気がなくなってしまうってやつね。
仕事しなくても自分の給料は上がるんだから仕事しなくていいやってなるのよ。
自分は絶対にそんなことはしないなんて思ってる人間が多数だろうが絶対にそんなことはない、多分倍の給料になったら働かなくなるから。
これが働かない中年が大量発生して45歳定年なんて言葉が出てくるようになった理由ね。
ITテクノロジーがどんどん発展していくから人間もそれに合わせて基本的な性能を上げないといけなくなってしまってるのも拍車をかけてるかな。
50年前ならこれでも日本は発展して豊かにいったから目をつぶっていたけれど、世界に先駆けて社会が成熟しきったいまは会社にとってお荷物であることが完全に見えちゃってるからバンバン辞めさせようとしてる。
時代に乗れない人間にはさっさと引退してもらおうとしてる。
多分会社員よりもそこらのコンビニバイトの方がまともな仕事してると思う。
それくらい生き方が変わっちゃった。
いやもうそう、本当にそう。
会社にいない人間の方が生き生きしてるからね。
ルパンが始まってからはや50年、その間に元号は二つ変わり、原作者がお亡くなりになろうが、宮さんから偽者呼ばわりされようがセル画からコンピュータを使ったデジタル作画になろうが、加齢により声優の交代をしようが、大量の警官を引き連れた時代からAI搭載型ドローンになろうが、高価だが耐久性に優れたマグナムから廉価で耐久性に難があろうがその分取り替えがきく量産型のプラスチックの銃になろうが、ウイスキーの味が変わろうが、ルパンの愛車はフィアットだし、逃走手段は車や己の脚力だし、銭形のパトカーは古めかしい昭和製の埼玉県警だし、銃の腕前は健在だし、五エ門の斬鉄剣はドローンでも斬り落とすし、緑ジャケは健在だし、人間の価値観も時代に合わせるかのように変わってきたが、ルパンもアップデートしつつも変わることはないよっていうメッセージが込められていた。
ほんとうに、あの銭形と部下の警官たちによる大捕物劇がドローンとGPSによる追跡に変わるとたしかに追跡自体は楽になるんだろうが、それはそれで絵的にも見たくなくなるくらい味気なくなっちゃうね。
俺のいる時代ではないという次元の別れ方といいルパンが長年の相棒だった人間を引き止めようともしないところといいまさにワイルドだったね。
ここから大塚明夫の次元とかかなりハードル高いんでないの。
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