アキバ冥途戦争第10話「メイド心中 電気街を濡らす涙雨」感想
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第10話感想
お萌さま登りで頂点に立ったとんとことんは知名度が上がりいつにも増して繁盛していたところ、客の中に嵐子目当ての男性、末広がいたことから店長の粋な計らいでふたりは日曜に上野にてデートをすることになった。
デートのさなか嵐子は末広から求婚の口づけをされ、ふたりでこれから住む北への寝台券を渡されたが後ろをつけていた御徒町の中の人から末広の正体は殺し屋であると聞かされる。
実は御徒町の中に入っていたのはかつて嵐子が所属していたメイド喫茶の店長、美千代を殺害した(名無しの)メイド本人であり、その後彼女は逃走中に末広に殺害されそうになったことをきっかけにパンダになり、とんとことん店長に拾われたという。
嵐子と末広が札幌にたつ当日、末広は拳銃を質屋に入れ嵐子との待ち合わせ場所へと向かうところを危害が加わることを危惧した御徒町により射殺された。
平野綾が御徒町役やった、久方ぶりに声優らしい仕事をしたってんでなにやら騒ぎになってるらしいな、彼女の声を聞くのはもう何年ぶりだろうか。
アンドロメダの元ネタは1999年に運行開始したばかりのカシオペアかな?北斗星だと7号車は食堂車だからどこで寝とんねん、厨房からそれともイスか?って話になってしまうからな。
今回は前回との温度差はなんなんだってくらいに切ない短編Vシネみたいな展開だった。
なんと!とんとことんのマスコット的存在だったパンダ、御徒町の正体は!
1話冒頭で15年前に嵐子が在籍してたメイド喫茶の店長を射殺したあの女だった!!
という新事実も発覚した今回。
御徒町の私はパンダになりたいってのは私は貝になりたいって作品に出てきた死刑囚の刑執行前最後の発言のもじりなんだけど、彼女の場合は実際にパンダになったあとの展開はこんな感じで殺し屋に狙われてるから常に着ぐるみで身を隠してないと生きてられないってのもある。
というか、御徒町の中に入ってたのあなたかよって感じで驚いてる、美千代を殺したメイドのその後が描かれてないからどうなったと思ったらまさかそこにいてとんとことんにいろいろ尽力、暗躍してたんかよ。
一方で嵐子目当ての常連客がひとり、だがその人の正体は殺し屋であり、さしずめ紳士的なヨルフォージャーがあらわれた。
本来は暗殺任務で嵐子に近づいてきたはずが彼女と話していくうちに本気で惹かれて拳銃を売っぱらい任務を放棄したところを御徒町に射殺されるってまたすんごい切ない流れだったね。
男も簡単に拳銃を売っぱらって任務放棄してたしな、そんなことをしたら今度は自分が雇い主から脳天撃ち抜かれそうだがそんな後先のことなんて考える必要はないくらいに嵐子を愛してしまったのね。
まあなんてダンディーなお人なの。命を捨てるときはふたり一緒さってか!
ああ、末広って名前の由来は末広町(電気街の北側にある地下鉄駅、一応アキバの最寄りでもある)か、よく考えてみたら末広町ってちょうどアキバと御徒町の両駅の真ん中らへんに位置してるんだよな。
東京の地図がわからない人のために言うと、御徒町駅と秋葉原駅は南北に位置していて、その中間に末広町の駅がある。
この三者の位置関係を見ておくと今回の話がより深まるんじゃないかな、末広がアキバのメイド喫茶で給仕する嵐子の狙い撃ちを防ぐべく北から御徒町が射殺する…そんな流れだからね。
そういえば末広はデートのときに北へ行こうって嵐子を誘ったよね、なんとすぐ北には御徒町がいて夜行列車の始発駅、上野に行くのを阻んでいた…
※位置関係は北から上野駅→御徒町駅→末広町駅→秋葉原
蘭子も本気だったようで札幌行きの切符手にしてずっと彼のことを待ってただけに切ない終わり方だったよな。
末広の正体が殺し屋で嵐子の命を狙うことを知ってもなお彼と北へ行くことを決意する、それだけ彼にお熱になっているってことだ。
闇の世界で暗躍するメイドと客との禁断の恋の行く末はやはり誰も幸せにはなれないほろ苦さ、やはりふたりの愛の間にはどこかで銃声が一発二発轟いてしまうものなのか。
15年前は美千代を殺したあとしっぽ巻いて逃げてた弱かった女が時を経て自分を、嵐子を殺害しようとした人物への逆襲に成功する度胸を手に入れてた、というより着ぐるみに入ってるからこそなんでもできる度胸を得たと言った方が正しいか。
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