アキバ冥途戦争第12話「萌えの果て」感想
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第12話感想
屋台において何者かに襲われた嵐子が死んだことで喪に伏すとんとことん、なごみはサングラスに黒いメイド服と「黒豚」と呼ぶ装いで他のメイドや下のフロアのラーメン屋の店主からうずここと凪の情報を得ようとする、一方で凪を刺した犯人は元チュキチュキつきちゃんのメイドだとわかったが、代表の凪はこの事件を不問とし彼女も加えてとんとことんへと再度の殴り込みを図る。
なごみは雨降る路地裏で他のメイドらの襲撃にあう一幕があったが凪らの襲撃への準備が整えられ、凪たちがとんとことんへ乗り込むと面々は「冥途戦争」と称していつにも増して手厚くご奉仕をしていく、なごみはライブパフォーマンス中に凪により「キレが悪い」と脇腹を撃たれてしまったがそれでも一曲やりきった、凪は思い上がるなとなごみに一発発砲したが当初はとんとことんを殺す気だった元チュキチュキつきちゃんのメイドが凪の脳天を撃ち抜くとこんのはずっと片隅にいた御徒町が竹で作ったヤリを投げとどめを刺した。
あれから19年、2018年のアキバはメイド同士の抗争もなくなりすっかり平和になりなごみは命拾いし車イスにのったままニューとんとことんでメイドとして働いていた。
最終話にして凪と嵐子の昔話で掘り下げてきた、つまるところは凪も嵐子も銃声が絶えなかったアキバメイド界に居場所を作るためにもともと温和な性格が一転するほどすっかり変わっちまったってことか、とくに凪は武力で上にのしあがり自分の時代を築いたかと思えば死ぬ時は一瞬とまさに新時代に取り残された人間は没落、あるいは死するさまは平成から令和にかけて見てきた光景そのまんまだわ。
チャカをペンライトにするとかなんなんだよこのアニメ…すっかりなごみらを殺しにきた女衆、凪以外はノリノリでペンライト振り回していたやないか、まあ部下たちは本来はやる気なかったし、凪から逆らったら殺すって見せしめの如く実際に人が死ぬのを脅されてイヤイヤついてきたような人間だからね。
チャカ型ペンライトはさすがに現実で作られることはないのではないかな、一見するとチャカにしか見えないから万世橋警察が黙っちゃいない、なんぼ仕事してない万世橋警察とはいえ。
あれ、嵐子を刺したの誰かと思ったらあれ元チュキチュキつきちゃんのメイドだったのね、じゃあ凪の差し金かと思ったらこれも違った、1話で嵐子に店つぶされた報復、つまりは単独犯だった、これは予想外だった。
やはり凪が前回一度破門にしたとんとことんをもう一回復帰させたのは自分の手で店ごと潰すためだったか、破門にしたままだったなら箔がつかないからな、そこに至るまでにえらくやってることがブレブレなもんだからあのときその会話を聞いたとき頭にはてなマークがいくつも浮かんでしまったよ。
あまりに凪の方針が表面的にはブレブレだったもんで意図がつかめない部下も誰もついてこなくなっていたがな、たぶん同じように企業のトップも国のトップも数十年スパンでの長期的視点での思考はできなくて目先のことしか考えられなくなってる、脳機能が衰えてる古い人間ほどその傾向は強くなってる、そのためブレブレになってるように見えるし実際ブレブレになってるのを柔軟に判断しているって誤魔化してるが明らかに行き当たりばったりになってる。
柔軟と行き当たりばったりは真逆だから。
嵐子と懇親にしていたあのラーメン屋の店主まで凪によって殺されよったで、なごみが世話になったねるら、嵐子、ラーメン屋店主、最後にゃ対立相手であるところの凪と全員死んでるやないか。
古い時代をガラッと変えるには大きな犠牲を伴うぜってことか、なんならアキバからメイドの抗争を終わらせたなごみも何度か松葉杖ビンタされたり撃たれていたりしたように自分もその犠牲になるぜってことかな。
撃たれて激痛が走ってるだろうにそれでもなお一曲やりとげるなごみは大したもんだけどな。
凪らが自分たちを潰しに乗り込んでくるのわかってたし、たぶん防弾チョッキ着てると思う。
さすがにあんな武闘派にはならないにせよ現状維持を望む奴らの妨害は常に受ける、自分も犠牲になることを厭わない奴だけが時代を変えろってのがメッセージになるだろう。
じゃあいつもTwitterに生息してるやつなんて特にアレじゃん、体制側や会社への文句だけは一丁前にいうけれど本心では犠牲を伴いたくないからと自分では何もしない現状維持をのぞむとんだヘタレクズじゃん、人のことを言えたことではないけれども。
冬になぞらえるとぬくぬくとこたつに入って酒飲んでワーワー文句を言うだけ、酔っ払うと気分が大きくなるんだけど普段はシュンとしておとなしい…かっこ悪くないかそれってって言いたい。
なごみが自分を襲いにきたメイドらに「お前ら楽しいですか?」なんて問うてたがこれはそのまま出る杭を打ち他人の足をひたすら引っ張る日本人の無様で醜悪な国民性に問いかけている。
「ほんとうに楽しいですか?」
揚げ足を取るだけ取って成功者の足を引っ張ることしか能がないから給料上がらないんだよな…ほんっとうに気持ち悪い奴らだわ。
こんなんでセロトニンやドーパミンを活発にして満足したって全く意味ないからな、もっと建設的な発想しようぜ。
まあ、アキバ界隈を作り替えた人間が何をやってるのかと思えば偉い立場になるわけでもなくとんとことんで36歳までずっとお給仕してるってのがいかにもなごみらしい人生選択だと思うけどね。
他の面々、ゆめちたちは死んだのかそれとも勇退したのか…そこまでは分からないがラストではいなくなって車輪に貼られた存在になってた。
いやしかしPAのお仕事もの作品とはいえ、明日の時代を作るのはキミたち若人だ!ってのを伝えるのにメイドに任侠、Vシネマってものすごい合わせ方をしてきたよな、前回の水族館ものは途中で離脱してしまったけれど今回は凪のブレブレ具合以外は安定して見られたかな。
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