ましろのおと第3話感想:雪は誰かに聞かせたいときとそうでないときでムラがでっかい

2021年春アニメ



ましろのおと第3話「驟雨」感想


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第3話感想

今回は朱利が授業中だと気づかずにスマホにイヤホンを繋いで音楽を再生していたのがバレてしまい取り上げられてしまうも、イヤホンがつい外れたときにスピーカーから聞こえてきたのが雪の祖父、松吾郎が作曲した即興曲「春暁」の鼻歌だったことがわかり、曲のことを問うた雪に祖母との大事な思い出を語るエピソード。

どうやら祖母は戦時中、地方に疎開していたときに疎開先でこの曲を聞いたという、朱利が津軽三味線同好会を興したのはこの曲を知っていて、祖母に聞かせられる人を探すためでもあった。

だが雪はこの曲は知っていても、自分も朱利も誰もこの曲を弾けないという。

愛好会に入部した朱利の友人、結と雪は顧問の教師から学内に保管してある津軽三味線の持ち主が神木清流であるとわかり、翌日行われる彼のライブに赴き三味線の使用許可を得ることにした。

学校とはまるで違う装いの顧問に驚愕を覚える一幕があるも、ライブで雪は神木清流の澄んだ演奏に心も体も引っ張られていきそうになる。

ライブも終わり楽屋にて清流から学校に残していった使用許可をもらい、彼は居合わせた人物のなかに松吾郎の孫、雪がいることを知りさっそく実力を確かめさせるために一曲演奏させた。

だが、雪は演奏途中で止められてしまった、さらに、唯一雪の演奏を映像で見た結もあのときとはまるでちがう演奏につまらなささえも感じていた。

清流からの評価を聞き飛び出した雪と追いかけていく結、結はあのとき映像で見た前座の演奏はなんだったの!?と咎めるも、雪は今回、清流にどんな音を聴かせればいいのかわからなかったために乾いた演奏になったという。

そのご帰宅した雪は桜から自分にできないことをやってれと言われたらどうするか聞いた、その答えはやらないと後悔することであれば自分流で頑張る、との答え。

こうして雪は朱利の三味線を教えるとともに、彼女の祖母に春暁を聴かせたいと心に願うのであった。

雪は自分の演奏を聴かせるべき人間がいるところではプロ顔負けの演奏ができるんだけど、そうでない時では上段者から下手とまで言われてしまうくらいには演奏に激しいムラがあることがわかった今回。

祖父の死を機に上京して自分の音を探し始めたが、まさか上段者の神木清流の前で弾いた演奏を途中で止められたあげく、建前上の感想を述べられてしまう事実。

第2話の2度の演奏も大会でもイベント本番でもなかったけれど、このときはそれぞれ松吾郎の血を引く母と兄の存在があったってことでもあるだろう、こちらの場合は音楽の流れを母と兄が作ってくれていて、その流れにうまく乗っていたってことになりそうだ。

ならば今回と似たような状況に第1話、ライブイベントにおいてバンドの前座で弾いたシーンがあるが、このときは雪の独奏であったが場にいる観衆をみな惹きつけることに成功していた、じゃあどこが違うのかというと、目の前に聴かせる人間がいるかいなかになるだろうか。

これを踏まえると第2話も同じことが言える、目の前にいるのは商店街の買い物客、あるいは少数の友人知人くらいだが、彼らに聴かせるために演奏をする、となるとやはり実力が出せるのだ。

じゃあなぜ今回は結からも清流からもつまらない演奏だと評されてしまったか、それは実力試しで弾かされているからってのがあるだろう。

彼の場合は普段モードと演奏モードの二つがあり、そのモードの切り替えはとあるタイミングにおいて自発的に行われる、だが、予告なく普段モードから演奏モードになれ、さらには何か曲を聴け、と言われても心の準備ができていないためにうまく弾けなくなってしまうのだ。

いや、むしろ強いのは彼の場合は一曲一曲に関連づけたエピソードを紐づけていて、そのエピソードとともに演奏できるときは語るように演奏することで実力が出せるが、そうでない時はからっきしダメってことになるのかもな。

しかもそのエピソードもだいたい祖父が絡んでくるときた、なぜなら祖父の音を聞いて盗む形で技術を身につけてきたからだ。

だが、祖父の音を聞き技術を会得しても、自分なりの解釈をつけることができなかった、これはおじいちゃん子だったであろう本人の性格とも関係してくるかな。

三味線では師匠なんだけど普段の関係は祖父と孫、だから稽古のとき以外はおじいちゃんおじいちゃんだったことで、おじいちゃんを心の拠り所にしていた。

だが、おじいちゃんが死んじゃったことで拠り所がついになくなってしまい、自分の演奏を誰に聞かせればいいのか?となってしまった。

朱利が祖母から一節を聞いていた春暁を雪は誰も演奏できない、と言ったのは祖父が偉大すぎるために超えられない、超えられる自信もないと思っているからだろう。

なんだこの現役時代の高見盛みたいな設定、幕に上がった高見盛は稽古だと三段目の人間にすら土付けられて出稽古先の親方から笑われていたって話だからね、なのに本場所では強さを見せつけ一度ではあるが朝青龍にも土をつけている。

そしてあと五代目圓楽(馬)の名が偉大すぎて継承しても一方下がってしまう六代目円楽(腹黒紫)も連想してしまった。

あのメンツで衝動的に飛び出していったのち雪高い実力が発揮された演奏を唯一知ってる結とあとはやはり兄とともに演奏した生の三味線の音を聴いたことがある桜の存在が改めて雪に今後は祖父をずっと追いかけるのではなく自分の解釈や演奏、ストーリーを見つけて組み立てていく必要があると思い知らされたいいアクセントになっていた。

だから改めて最後雪は自分の音で聴かせたいと決意を新たにしたのよね、今度は祖父の音ではなく自分の音を聴かせるために。

雪の演奏を知ってるからこそ結てめえ!と咎めていき、雪が自分の演奏のデカすぎる弱点を再認識するシーンが雨音に映えたな〜。

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