無職転生第23話「目覚め、一歩、」感想
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第23話感想
分割2クール、全23話の本編がとうとう終わってしまった。
同じ魔大陸にいるとはいえルディや彼の家族をずっと探してるロキシーとなんでも見渡せる魔眼持ちのキシリカ•キシリスの出会いはすんごい唐突でご都合だったな、剣をぶつける戦いではなくて余興的な酒飲みバトルで知り合ったんかよ、そこに至るまでの流れに何があったんだよ。
とはいえロキシーもビックリしてるのでは、いつのまにかルディは故郷に帰還してるっていうんだから。
一方でルディがパックスにより城に幽閉されていたアイシャとリーリャを解放したことで家族をずっと探していたパウロとノルンとの再会がようやく実現。
あのときパックスにより投獄されながらもオタク特有の早口でザノバにロキシーの着脱式フィギュアについて熱く語った好影響が本人の知らないところで出ているが本人がそのことを知るのはずっと後のことになるだろうか。
そのほか、ルディと知り合った人間はどんな方向でさえ軒並み人生を変えている、それくらい彼が旅でしてきたことの影響力は大きかった。
だが本人は前世ではいじめを受けて社会はつらいこわいと20年以上引きこもっていたが転生した世界では成功体験を受けて生まれ変われたか…と思いきやエリスを失ったショックはそんな成功体験をすべて消してしまうほどデカかったようで。
長旅をするなかでどこかもわからない大陸に転移されようが投獄されようが目の前で森が焼かれて人が大勢死ぬ光景を目の当たりにしようがピンチを迎えたときに助けてくれたのはいつもエリス(とルイジェルド)だったからね。
失ったショックは全ての成功体験をゼロにしてしまう、それくらいルディにとって共に旅するなかで切磋琢磨してきたエリスの存在は大きかったわけで。
昨日誘惑された末抱いた女が突然自分を見捨てるわけがないって考えにいたらないあたり、なんぼ旅の中で成功経験を積もうが前世の20年以上の引きこもり経験者としての思考はそう簡単には変わらないわけでして。
前世の男の両親、「負けてはダメだ」発言や「くじけないで」「あなたなら大丈夫」とド頭に書かれてる手紙の内容を見る限り明らかに引きこもり少年をじわじわと追い込んでるよな、両親からしたらまったくの無自覚だけどね。
これ、両親は励ましてるつもりなんだろうが日本に1000万人いるうつ病の人間に言ってはいけないことと同じことを言ってるからね。
「私の子はみんなとっても強い子だから」の「みんな」ってなんだ?と思ったがそういえば前世の男には両親の葬儀にも参列しない男をパソコンぶっ壊して着の身着のままで自宅から追い出した兄がいたのを思い出した。
だから「私の子はみんなとっても強い子だから」ってのは間接的にお前も兄のように強い子になれって言ってるのと同義だ。
だからあの手紙は男をじわじわ追い込んでる内容であることにほかならないのだ。
そんなん言われても無茶なものは無茶だ、これはマインドの問題であるから強くなれって言われてすぐに強くなれたら即引きこもり脱却しとるわ!って話だもの。
それができないし手立てもわからないから20年間引きこもっいたわけでして。
でも今回は違ったね、まだ見つけられていない母親、ゼニスがいるもの。
幼いルディにかけられたゼニスからの「ルディ大好きよ」の言葉、あれは前世の両親であれば一回もかけることすらしなかったでしょう、名前を呼ぶ呼ばないもそうだし、あの一言のあるなしはものすごくちがうぞ。
「ルディ」と「あなた」「みんな」、この呼び方の違いはルディのことをひとりの個人として見てるかただ子の一人としてしか見てないかってくらいちがう。
だからここでエリスに捨てられた、から引きずられてゼニスなんてどうせ見つかりっこないってネガティブな考えに完全に侵食されていないあたりがルディというか前世の男というか、ずっと長い旅を続けてきた彼の成長なのよね。
なにせルディもゼニスの手がかりは全く掴めてないからな、だから見つかりっこないって思考に至りそうなものなんだが至らないのは強さだよ。
やっぱり幼いときに親から「名前プラス大好き」と言われてきたことの大きさは誰に名前を呼ばれることよりも桁違いに違うのよ。
だから人との出会いいかんで人間は変われる、どんな弱い人間でも助け合って少しずつ強くなれるってことを教えてくれたのが当作品だったって印象かな。
この辺、現実逃避的に俺TUEEEEを描くほかの量産型なろう系作品とは一線を画す話の展開だったね。
原作はなろう系異世界転生ものの中でも初期の作品だってこともあるんだろうけど。
第二期があるとしたらやはりルディのゼニス探しがメインの話になってくるかな。
魔大陸に転移されてからロキシーとも一度も巡り会えてないしな。
ニアミスはしてたけどあのときのルディはヒトガミのジャマが入ってたしね。
これは続編あったらぜひとも見たいな。
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