パリピ孔明第9話「たみくさのために」感想
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第9話感想
なんだかもうKABE太人の扱いがぞんざいになってきた感があるな、まあ言っちゃ悪いが彼はすでに役目を終えている人物だからな。
いまやってるのはもはや消化試合みたいなものだよ。
今回孔明から受け取った3つめのアイテムで入場した英子とAZALIAの七海が訪れた渋谷スカイの展望台はこんな場所。
(2019年11月オープン直後に実際に入場してきたときのもの)




ここ他の展望台と何がちがうって、飲食物や手荷物持ち込み禁止(屋内にロッカールームがあってそこに預けられる)、小さいカメラはポケットに入れ、大きいカメラは必ず首にかける条件付きでヘリポートも兼ねている高さ229mの屋上に人間が上がれることなのよね。
当日券は少々・・・といっても100円200円くらいだけど高いから数百円ケチりたい人は渋谷の駅前でスマホポチポチして数十分後に入れるチケットを買っておく必要がある、ってのはあるけれどな。
なぜかみんな勘違いしてるんだけど、滞在時間が20分ではなく20分のどこかで入場してくださいって意味なので滞在時間は任意なのよ。
アニメの力は強い、晴れた冬の日でも街の明かりでほとんど星空が見えない都会の空にどこの田舎の山の中だよってくらい満点の星空を描いてきたからな。
さて、本編は七海が実は例の覆面アイドルグループAZALIAのメンバーであり、高校時代に結成してバンド活動していたがずっと鳴かず飛ばずであったけれどプロデューサーが彼女たちを拾って大量の金と大手の音楽事務所ブランドで売ってやるから俺の通りに活動しろとお金のためならと覆面をかぶらされ肌も露出した際どい衣装も着させられるガールズバンドとは程遠い音楽活動をすることを受け入れ、たしかに売れてはいるがそれは本当に自分が音楽でやりたいこととは程遠いっちゅう現実と夢の間にある大きな隔たりで悩んでいたってな話。
飛行船使って自分がAZALIAのメンバーです!って明かされてもすでに第7話8話で細かな伏線はられてたしある程度予想通りだったのよね。
設定だけ見ると同時期にやってるアニメ、であいもんの和を思い出した。
あの人も音楽の楽しさを知って東京に出てきて栗まんじゅうのかぶりものかぶってバンドを結成したはいいけれど10年間全く売れず和菓子屋やってる実家の父の危篤をきっかけに実家に帰って家業を継ごうとしているって設定なんだけど、音楽の実力を思い知るのに10年かかったがそれでも彼は彼でずっと自分の音楽をできていたっちゅう側面はあるのか。
彼の場合歌よりもMCがウケてたんじゃないか疑惑があるんだけどな。
七海の場合は和よりも条件が悪いと言っていいのかな、それは全く売れなかった彼女たちが売れるようになったところでそれは音楽の実力ではなく豊富な資金力を持つ大手事務所の名前で売れてるだけにすぎずその実音楽プロデューサー唐澤にいいように使われているだけだったから。
だから自分の歌が見つからない英子のとなりにいるのは金のために自分の歌を捨てることを受け入れた七海っちゅうなんたるこのどんより構図になっていた。
自分が本当に音楽でやりたいことはこっちだとベースを持って夜な夜な渋谷で素顔晒してストリートミュージシャンやってるのがせめてもの唐澤への抵抗か。
しかし音楽業界だけでなく芸能界、あるいは業界なんてもはや関係ないのかな、自分が本当にやりたいこと、売りたいこと、作りたいものと世間が求めているもの(キャラづけも含む)、需要が全く違うからベテランでさえその狭間でずっと思い悩むようになるってのは耳が痛くなるほど聞いた話なんだよな。
とくに自分の立ち位置に悩みいろいろ試行錯誤した末本来の性格とかけ離れたキャラが人気になってしまった芸人。
つい最近亡くなったU芸人もその一人だったと言うし。
うまく人気になればなるほど自分は別人のキャラクターを演じてるのではないか?と思い至るようになるのよね、だが世間が求めているこのキャラをやめればファンが離れまた売れなくなるのではないかというプレッシャーもかけられる、それで繊細な人間ほど精神を病んでいってしまう…
自分がずっと周りの人々にたくさん助けられてきたように、今度は理想と現実の間で悩む人々を助けるために歌いたいって英子が思い方向性を見出すようになるその決意はありきたりかもしれないが実に見事だった。
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