Sonny Boy第9話感想:瑞穂のペットのネコ視点での物語

2021年夏アニメ



Sonny Boy第9話「この鮭茶漬け、鮭忘れてるニャ」感想


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第9話感想

ラジダニが昔クラファンで資金を集めて作っていたという「ときめきダニ高校」ってなにー?って思っていたら、初出は第5話で一瞬だけ出てきた2本あるゲームボーイソフトだった。

このときも瑞穂は「自分の能力はなにか」を問うていたが、この世に1本だけしか出回ってないゲームソフトが2本ある裏側が描かれることで彼女は知らない能力の本質が今こうして開示されたわけだな。

さて、今回は瑞穂がペットにしてる3匹のネコ視点で描かれた物語。

能力も含めた瑞穂のこと、彼女も実はなりたちに関与していた一連の漂流世界のこと、とその世界の真実に近づこうとしていたラジダニのこと、そしてもとは一人の少年だったソウとセイジのことが描かれた。

実は瑞穂が「ナマケモノ」だとずっと思ってるネコが彼女の生きる源であったって話。

長良たちが通っていた中学は画一的な教育で無難な人生を送らせる方針で生徒たちの可能性を潰していた学校であることはすでに明示されていて、そのつぶされてしまった可能性や願望が現実に抗うために生徒たちに備わった能力となりその能力がもとでこの世界を生み出したってのは今まで描かれてきたとおりだけど、なにも一人の人間により作られたわけでなく、複数の生徒が成り立ちに関与していた。

漂流世界そのものを構築しているのは長良だけでなく複数人いる、ならば漂流世界を漂う人物をコピーしているのもおそらくは瑞穂だけでなく複数人いるだろう。

この漂流世界ってのはもとの世界において中学生が持つ個性、未来への夢や希望、可能性をよってたかって教師が潰し閉鎖的で画一的な教育を受けさせられることへの反発心から作り上げられ、その教育の先に与えられている決まりきった未来、日本でいうとそれは会社主義になるだろうか、どこかの会社に就職しやりたくもない仕事だけど終身雇用と福利厚生、年功序列の給料体系のもとで働くことを是とする価値観が構築されてるからやらざるを得ない一方でその結果愚痴ばかり吐き捨てる無能な中高年が大量生産され、日本企業だと解雇も簡単にはできないから会社がそんな仕事をしないできない人間たちを高給で雇い続ける福祉施設のようになっている現実が起きていて、そんな未来を否定し、生徒たちに希望や可能性を見出すそんな価値観に上書きさせるための世界である。

昭和の時代だとそんな画一的な生き方でもぐんぐん経済成長できたが平成~令和はIT技術の発達でそうはいかなくなりつつある、画一的な人間は全てAIロボットに置き換えられてしまうからだ。

だけど日本の教育はほぼ昭和の時代のまま、そりゃAIロボットのような人間だらけが揃った会社では世界との競争にも負けるし、自分なりの生き方を見出すことができ、ブルーオーシャンの世界で遊んでいる人間ほどイージーモードの人生を送れる、勝てるわけよ。

最近になって詰め込み教育による画一的な人間を大量生産する世の中から子どもたちの自由や可能性を尊重する教育方針にかわっていくなかで生まれたのがゆとり教育だったっけか、でも結局は昭和の価値観のままだから「自由」の意味を履き違えて好き勝手やり放題する20代、30代社会人を大量生産する結果になってしまった。

で、この世界から出る方法ってのはそんな生徒たちが昭和の価値観を捨てて一人ひとり持ってる可能性に向かって進めるようになることなんだろう。

そんな画一的な教育を受けるなかで変なものが開花し世の中を斜に見ることをかっこいいと思う歪んだ長良は転校生の希のコンパスの先にある小さな光により変わることができたが、こんどはその希がもとの世界では子どもたちの希望を潰す閉鎖的な社会から卒業していたことを知りふさぎ込んでしまった、彼女は長良により再び希望をみることになるだろうか、もともと前向きだった彼女による相互作用をもたらしてくれる関係性になっている。

瑞穂はないものねだりなところと、だれの助けがなくても自分ひとりで生きていけるって願望が漂流世界にコピーを生み出した感じかな、物語初期はとげとげしかったしな。

あんなに部屋の中にものが溢れていたのは親からほしいものを買ってもらえなかったから。

親により一本のレールに乗せられた人間が高校大学を卒業し社会人になると抑えられた欲望を吐き、オタクにすら目覚めちゃうのと同じ。

でも実際は飼いネコちゃんたちや親を含めた他人がいないと夜中に二階に上がれないほど臆病な子で刺々しいその性格もその臆病な一面を隠すための裏返し、おそらく彼女はその性格に起因し自分自身が能力を出すことはできない、だからこそネコちゃんたちは彼女を精神的に成長させるためにこっそりサポートしてるってことになるか。

瑞穂はどうだろうね、臆病な性格なら臆病な性格なりに活かせそうな気がするんだよな、でも臆病な性格だからなかなか自分を変えられないのか。

今回雪原の世界にいたソウとセイジは理想の自分になりたいけれど現実との落差というかギャップと言うか、それを強く感じていて抑え込まれてしまうことで生まれた2つの人格がそれぞれ1人の人間としてあらわれただろうか。

それぞれにリセットの能力が備わっていて片方が衝動的に世界をリセットしたくなるともう片方がリセットしてもとに戻すってあったけれど、もうこんなつまらない生活は金輪際嫌だ、と人間関係を、職場を、リセットすれば本来の自分の姿を描け、もっといい人生を送れるのではないか・・・って考えになるのは人間の心理。

彼は本当にクソまじめで親や先生の期待に応えるかのように言うことを聞き、自分で物事をあまり考えてこなかったタイプの人間だろうか、こうした人間ほどどこかのタイミングで挫折を覚えたときなんかにリセットしたいと思うようになるからね。

彼が現実を生きる弱い自分に打ち勝った感想は「なんだかすごくむなしい」だったけれど、ついに悟ってしまったか、人生においてリセットすることの意味の無さを、結局勢いに任せていままでの人間関係をリセットしたらその人達との信頼までも0になり、助けもなくなってしまうから自分だけでどうにかしなければいけなくなることを。

現代ではリアルの知人は0でもSNSでのみつながってる人間は多数いるから人間関係は簡単にリセットしやすいのよね。

「ぼくたちのリメイク」みたいだな、あの作品、勤めていたゲーム会社が潰れたから一度大学時代にリセットして別な人生を送り始めたら、自分はいい人生を送れるようになっても周りの人間の夢を可能性を潰してしまっていたことに気付かされ、ウンタラカンタラ(アニメ勢に配慮し隠します)をするって展開なんだけどさ。

朝風は・・・あんなに存在感があった人間も、もはやあき先生に従うだけの人間になってしまっていて何も言いますまい、これが学校側による個性を潰す画一的な教育の成果ってことはもう知っているので、なにも驚くこともない。

でも彼も変わらないと漂流世界から出られない可能性もあるから、やっぱり何かをきっかけに変わっていくことになるんだろうが、その教育にどっぷり浸かり、モノクロームに染まってしまった人間ほど多数派の人生を正と信じ込んでいてその変化のきっかけに気づくことはないから時間がかかるだろうし、現代においてもSNSで出る杭を打ち、悪を糾弾することに躍起になる正義の味方症候群に陥ってるのかな、って感じがしてならないね。

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