シュガーアップル・フェアリーテイル第1話「かかしと妖精」感想
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第1話感想
なろう系ではないラノベ原作、労働妖精とか奴隷妖精とかいうなんとか妖精って単語を聞くともはや私の中ではFairy Goneっちゅう作品を連想してしまうが思い出してみたらあの作品の妖精は人間のような姿をしてないうえ体内に埋め込まれていて、数年前に放映されたとはいえ評価がビミョーだったうえ作品自体の存在を覚えてる人間がそもそもいないのではないかっちゅう疑問が湧き上がってきた。
さて、本編は銀砂糖を用いた砂糖菓子職人の母のもとで暮らすアンが急逝した母親の遺志を受け継ぎジョナスに見送られて砂糖菓子品評会に出るべく街に向かうさなか盗みを企てたというちっちゃな労働妖精が妖精狩人から厳罰を喰らっている光景を目撃し救出する一方で道中の警護役として妖精商人から一体の戦士妖精を購入したが彼は口が悪くアンをカカシ呼ばわりするだけでなく俺を買えと悪態をついてきたので銀貨で購入しふたりで街まで旅をすることになった話。
主人公の設定とは裏腹に世界観がなかなかにダークだった、なにせ500年前に起きた妖精の国への人間の侵略を機に人間と妖精は対立構造になっているっていうんだから。
妖精は扱いやすく金になるって500年前の人間もそう考えたんだろうね、人間たちの私利私欲により妖精狩人や妖精商人に妖精たちが狩られ売り飛ばされ購入した心無い人間により片翼をもがされて奴隷のように使役され使えなければまた売り飛ばされたり虐待を受けたりして非業の死を遂げたりしたんだろう。
人間たちは妖精を使役するときは片翼をもぐのか、そしてその片翼を強く握りしめることで反乱する妖精をおとなしくさせようとしているのか、そこは中世の世界における使役者による奴隷のムチ叩きの変形だろう。
いずれにせよ奴隷制なんて見かけ上存在しないわれわれ日本人にとってはそうやって奴隷を使役する構図は胸糞悪いものになっているが。
(ある意味ではブラック企業そのものが現代の奴隷制といっていいだろう)
そんな妖精たちもなかなかにガッツがあったね、すっかりやさぐれてオラオラ系になって人間たちに悪態ついたり盗みを働こうとしたりしてるんだから。
もちろん使役されてる側の妖精の悪事がバレた際の仕置きは壮絶なものになるんだろうがそれが妖精たちにとって過酷なサバイバルを生き抜く処世術みたくなっている。
そんな心無い人間たちが多数いる一方で妖精が生み出した幸福を享受している人間もいる、妖精たちが生み出した銀砂糖を用いた砂糖菓子を使った菓子の技術を世に継承しようとするアン親子みたいな人間もいるっていうんだから。
そんなアンも結局は旅の道中の護衛役に戦士妖精を買って悪態に悪態で返してるっていうんだぜ、結局は人間はめちゃくちゃ妖精たちを蔑んでいるけれどその実人間こそ都合良く使役できる妖精にすっかり依存してるって構図ができあがってたじゃないか。
実際のところオラオラ系妖精が言うところのカカシってそういうこと?俺がいないとただその場で棒立ちするしかできない人間たちのことを田んぼのカカシになぞらえてるってこと?
でも米農家にとって、カカシは害獣から生育中のイネを守る必要なものだからな…呼び方うんぬんの次のシーンに稲穂が実る田んぼとシカがイネを食ってる様子が映ったでしょう、あのシカやあとはカラス、ツバメさんからイネを守るのがカカシなのよ。
だからカカシ=ただ田んぼで突っ立ってる無能でマヌケではないのよ妖精さん!
これはなんだ、ひとりの少女と口の悪い妖精とのラブコメになっていくんだろうか。
妖精からカカシ呼ばわりされたアンがそいつを害獣であるところのカラスとよぶその返しがいいな、なんだかんだいって妖精ことシャルフェンシャルは口が悪いだけで心開いていったし、ツーカーの仲に発展していきそう。
手荒な使役を受け続けてやさぐれて悪態をつく妖精がひとりの少女により徐々に心優しい妖精に変わっていく…みたいな。
とともに、人間の言う綺麗事は綺麗になってから言えと言わんばかりにまともに働こうとせず、あげく使役者に歯向かおうとしてる妖精の様子は現代の労働者におけるTwitterでの様子をほうふつとさせる。
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