大正オトメ御伽話第3話「黒百合ノ娘」感想
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第3話感想
サブタイトルの通り最初は人当たりが最悪だった妹と夕月の心が通じ合ったのか本当に百合展開になってた。
宮本侑芽さんこのところ気の強い女性役で起用されることが多いね。
その心が通じ合うイベントは深夜、春雷におびえて粗相をしでかしてからのお風呂なるまたいろんな意味で見た人を引きつけるイベントだった。
なんせ現代のボタン一つで湯がサッとあたたまるようなハイテクな時代じゃないにもかかわらず夕月は眠気まなこで傘をさしていたとは言え雨に濡れることを気にせずに薪をくべてお風呂を沸かしてくれるっていうんだぜ。
さっきまで嫌われ者キャラになって悪口ばっかり言っていた自分のためにこの子はここまで世話を焼いてくれるのか、と考えると夕月のことを悪くは言えないよ。
悪口言われて落ち込んでる珠彦にもいまから春を見つけにいこう、なんて言って散歩に誘い山のてっぺんにある大木をくり抜いて作ったお稲荷さんのところまで連れて行ってあなたのお顔が和らぐのが見たかった、なんて言われて、さらに湧き水を飲むときに右手が使えないから飲みづらそうにしていたのを見てお水をすくってはずかしげに赤面でこちらを見つめてきたらさ、そりゃなんぼなんでもこちらが惚れますよ。
農村のお嬢様女学校から一転して借金のカタに売られて別荘に隔離されて死んだ扱いされた男にもなおかいがいしく世話して「いまが楽しい」「珠彦様に尽くして差し上げたい」みたいなことを言ってしまえる子にほだされないわけがないんだよな。
さて、珠子も少し掘り下げられたけれど、一度でも期待に応えられないとすぐに捨てられて死んだ扱いにまでさせられるあの厳格なお父さんのもとで育てられてきたから順当に性格が歪んでしまったって感じかな。
周りから嫌われてるのならとことん嫌なこと言って嫌われてやれ…でも嫌われるとそれはそれで本当はさびしくて、父親に見捨てられたのを知ってるだろうにその兄のもとに来たのも父親から本当に見捨てられそうになったさびしさからきたものだと考えると、やはり12歳のお年頃の娘らしさが見えてくる。
ほんとうはカミナリこわい、でもあれだけ夕月にきついことを言ってしまった手前助けてくれないでしょうからひとりで厠に行かないといけない、だけどやっぱりカミナリこわいから手伝ってほしい、あまりのこわさに粗相したにもかかわらず秒でお風呂沸かしてくれて、添い寝までして、いままでの非礼も全く気にしていないところかやさしくしてくれるこの子本当にいい子すぎる…っちゅう少女の心の揺れ動きがよく描かれていたように思える。
私もいつも自分には心を開いてくれてる女の子と春を探しに行ける人生を送ってみたかったよ…
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