大正オトメ御伽話第7話「珠彦先生」感想
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第7話感想
昭和22年の民法改正まで女性は15歳で結婚できた、昔は少年少女が住み込みで雇用される丁稚奉公なるものがあった、ってのを踏まえると・・・
やはり綾の家は父ちゃんが酒浸りで大店に多額の借金をしたことで綾太郎がそのカタに丁稚奉公に出されることになったと考えるのが自然かな、あの人が大店に頭下げるられるような人格者であるとは到底思えないからね。
これ現代なら児童生徒の人身売買で大問題になるだろうが大正時代は世界中で行われていた制度。
なんだか珠彦たくさんの子どもたちに勉強を教えて慕われるようになってからやけに積極的になってきたんじゃないの?
ずっと引きこもっていたのが復学を考えるようになったり(そういや千葉の別荘に幽閉されたことで休学状態になってたね)、今すぐの結婚はできないが将来的には結婚をしたいと考えているとついに夕月との未来を描き自分から接吻までしていたしな。
いままでは連日自分の将来を悲観してばかりだったけどいよいよ進みたい人生でも見つけられたかな。
先生とは人生を導く存在である、珠彦も一丁前に子供たちに教育だけでなく人生も教えられるようになってきてたしな。
現代ではろくな教育もしない本当に先生と呼んでいいのかわからない、尊敬したい存在の人間は数えるほどしかいなくなってしまったが、先生とは呼ばれなくてもいいけれど子供たちの人生設計にいい影響を及ぼせる人生になりたいもんだ、もうこの歳だと無理なのは承知だが。
周りからやんややんや言われるのは異世界転生ものでも見られた光景ではあったけれど違うのは当作品は父親から半ば勘当されたような人物が自信を取り戻していく話なのに対し、あちらの場合は自分は有能な人物だと自身ではすっかり思っていて「我は有能だ、我を崇めよ、我を讃えよ」と他人を見下す謎の幼稚な自己愛を持っているところか。
そしてずいぶん急ではあったけれど綾とも和解したようで何より。
あの酒クズ父親の元で育った綾でも栞のことで夕月に頭下げられる人格者に育っているとは。
たいていの子はあの父親の元で育てられたら何が悪いのか考えられない子に育つんだけど、子は親に似るわけではないんだな、むしろ綾のような存在の方がレアかな。
綾もグイグイ珠彦に押してきてるじゃない、愛人、妾発言まで来ちゃったよ、それも正妻予定の夕月の目の前で。
夕月から奪い取って正妻になる気は無いんだ、妾泊まりでいいんだ、金で買われようが栞をスろうが幸せに生きる夕月には絶対に勝てないと悟ったね。
まさか綾も暗殺貴族の6話みたいなことをされていたとは思わなかったが、未遂で終わったとはいえこれもまた飲んだくれのクズ父親が金で売ったな。
あの父親は何を考えているんだ、酒のために娘を大金でハゲオヤジに売り、息子も大店に奉公に出すんだから。
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