大正オトメ御伽話第11話「夕月ヲ求メテ」感想
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第11話感想
珠彦らは震災から数日経って東京入りしたってこともあり震災の描写はかなりマイルドに抑えられてる感じかな。な
なぜならすでに炎は鎮火していて焼死体となった人物の供養は済んでいると思われ、さらには東京中を流言が全く飛び交っていないから。
震災当日の東京の様子は寝てる時に下敷きになりそのまま命を落とした人が続出した阪神大震災や数十メートルの津波が沿岸部を襲った東日本大震災の津波よりもきつい光景だったというしね。
当時の東京は台風の影響で強風が吹き火災旋風が本所被服廠跡を襲い、ここは広い場所だから安全だろうと避難してきた38000人の市民が炎に飲まれ一気に命を落としたというからな。
ほかにも東京は下町を中心に広い箇所が燃え尽きてシンボルだった浅草十二階も倒壊したしね。
そして同じ大正時代を描いている鬼滅の刃にも出てきた吉原遊郭の名が一度だけでてきてたね。
そう、関東大震災が起きたとき吉原も焼け落ちてしまい数多の遊女は焼かれたか、水に飛び込んだかしてそのまま亡くなったかしてしまったのだ。
まあその様子は当作品の感想では語る必要がないので、珠彦と綾の大事な人探しの感想へと戻ろう。
それにしても珠彦は強くなったね、最初は引きこもっていたんだけど、大事な人だと思うようになる人物との出会いで徐々に変わっていき、とうとう無事であることを確信して自宅から数十キロは離れた東京に何日もかけて捜索に向かい、探しても探しても見つからずにヘトヘトになりながらも夕月を見つけるまではってな気力だけでずっと動いていたっていうんだもの。
ずっと夕月に救われてきたから今度は自分が夕月を救う番だって一年以上前、別荘に来た直後のあなたならこんなこと一度も考えることはないだろうからな。
それに、東京にいると聞こえてくるよろしくない情報にもくじけなかったっていうんだぜ。
おそらく何度もくじけそうにはなってるがそれでも夕月に会いたいって一心で死に物狂いになれる、これには強さもあるが、その一方で彼女がいなければ自分は何もできないしこんどは喪失感で壊れてしまうのではないかと恐怖に怯える弱さもあるな。
だからこれは功徳の実証と言っていいだろう。
とはいえ東京で友人知人とも再会する展開はピタゴラスイッチじみてたけどな。
他の市民が呼びかけても呼びかけてもなお探し人の情報を得られないのに珠彦だけそう簡単にピンポイントで知人に会えるはずがあるかいってツッコミを入れたくなるがフィクション作品なのでぐっと押さえておこう。
綾は夕月をお人好しなんて言うけれど彼女は沈んだ雰囲気を屈託のない笑顔とお嬢様学校育ちのあふれる気品でもって明るく変えてしまうムードメーカーだから。
無論私ら視聴者も夕月にこのまま死んでもらっては困るわけでして。
彼女が死んじゃったら私ら週末、あるいは年末の楽しみがひとつ消えてしまうからね。
だから夕月が家屋の下敷きになったり、水に飛び込んだり、他の避難民について行った結果、本所被服廠跡で焼け死んでしまったりっちゅう悪い知らせだけは免れたことに本当に安堵をしている。
ところで、地震直後は美鳥と一緒に火災から逃れようと逃げ惑い、このときは身体も無傷で無事であったであろう夕月はなにがあって昏睡状態になってしまったんだろうか。
逃げ惑う時に発見した、親とはぐれたと言うどこかの名の知れぬちびっ子2人を相手しているときに本震では崩れずに踏みとどまったが相次ぐ余震でついぞ崩れてきた建物にやられでもしたかな。
おそらくその可能性が一番高いな。
うわ言で珠彦さま…と漏らす夕月、やっぱり美鳥と会ってる時も頭の中は珠彦さまから離れられなかったんだろうな。あ
友人に会いに行こうかどうしようか迷っていたときにあれだけ珠彦のことを心配してたもんな。ま
まったく、地震で重体になってもなお夕月はかわいいぜ!
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