ヴィンランド・サガSEASON2第4話「目覚め」感想
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第4話感想
ケティルの息子、オルマルが一人前になる儀式として殺しの経験を積ませる格好のターゲットにされたトルフィンがキツネに身体のあちこちを斬られているところにリーダーの蛇があらわれて儀式は中止へ、その際、蛇の一撃への素早い反応を見せたことからトルフィンも本当は「生きたい」気持ちが強いことを見透かされてしまった。
世話人のパテールの手当を受けたトルフィンはエイナルに5歳〜6歳の時からヴァイキングの戦士として人殺しをしてきた過去を語り始めた。
その夜、眠っているトルフィンの首を力任せに絞めたエイナルであったが彼がこの夜も大声でうなされているのを見て殺すのをやめるや生きるように促した。
トルフィンは父を殺したアシェラッドへの復讐のために6歳ぐらいのときから彼の下で戦士として数多の戦いで少なくない敵の戦士あるいは罪のない民間人を殺戮していったわけだけど、奴隷になったことで復讐相手がいなくなったことに対する無力感が一気に湧いてきたのと同時に殺してきた人間の強い怨念が連日連夜呪いのように襲いかかってくる、いまでいうところのPTSD(心的外傷後ストレス障害)ってやつかなあ、現代でも戦場からの帰還兵の多くがこの症状に悩まされているわけだけどトルフィンもこの症状になっているように見えた。
トルフィンは命の危機が常にあり死ととなりあわせになっていた環境にて10年以上はいたわけだからね。
いや、戦場にいるのは殺戮ロボットじゃないんだから人を一人殺すと殺した側も精神やられるものなのよ、若きトルフィン少年ならなおさらね、まわりでは人間が次々息絶えて行ってるのに俺が生きていてどうすんだ?ってなるものなのよ、絶対に。
そんな状況でも蛇の攻撃にとっさに体が反応していたもんで頭じゃ殺してくれと言ってても本能としてはやっぱり死にたくないってなるのが人間なわけよ。
いやあの蛇の一撃からの素早い回避仕草は見事だったな、戦闘未経験者ではできないような瞬時の判断だったからね。
死者からの呪いが毎日のように現れては徐々に精神をむしばんでいくのは戦闘経験者にしかわからないからなあ、日本人には実感する機会がないというね。
とはいえ生きているってことは自分を必要としてくれる人間も少なからずはいるわけで、その必要としてるってのは道具として使えるからって意味も含まれるけれど、現状だと蛇にエイナルにパテートか、エイナルはトルフィンの話を聞いて夜中に殺そうとしていたけどな。
とはいえあれは温情なんかなあ、トルフィンも戦いから離れたら過去にずっと苦しんでいるさまをみて殺しを止めるあたりエイナルは心温かい青年なのがよく分かる。
エイナル青年の言葉でこれでトルフィンも一気にってわけではないだろうが少しは生きる気になってきたんじゃないんだろうか?
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