Vivy-Fluorite Eye’s Song-第9話感想:AIと人間、それぞれが理想のAI像を追い求め、破壊されていった

2021年春アニメ



Vivy-Fluorite Eye’s Song-第9話「Harmony of One’s Heart -私の使命、あなたの未来-」感想


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第9話感想

今回は幼い頃にずっと慕っていたAIのピアノ教師からピアノを習うも移動中に車両事故により教え子の命を守るべく爆発に巻き込まれ全損してしまってから40年間、反AI活動家として暗躍した垣谷ユウゴがあのときの発言の真意を問うためにヴィヴィことディーヴァと、そしてオフィーリアの人格を乗っ取ったサポートAIのアントニオとマツモトがそれぞれ対峙し、垣谷はディーヴァのデータの奥底に眠るヴィヴィの人格を無理矢理引き摺り出すためにロジカルバレットを打ちそれを介してマツモトでも解除できない人格構成プログラム全消去を実行し、アントニオは自らの使命のために未熟なオフィーリアを乗っ取り自分が彼女となって歌うことを明かし、マツモトの目の前で自壊しようとしていくエピソード。

AIに対するの恨みつらみをひととおり語るユウゴとディーヴァの目の前にマツモトは3桁にまで複製した大量のボディキューブを遠隔操作で操って彼女の救助に現れた、即席で爆弾を作成し爆破させて壁を壊しビルから脱出したディーヴァとマツモトであったが、マツモトの複製体に残りのキューブが追いつくまで演算させつつ本体はアントニオと戦うが電磁線プログラムを発動されてしまい複製体も含めてうまく身動きが取れない。

ここでアントニオから自身と垣谷が結託していることやアントニオは自分の使命こそ崇高で、オフィーリアの関係者が無知で無理解なことやマツモトが自戒を止めに来たことを徹底的に下に見ていく。

ビルから飛び降りてまでディーヴァを追ってきた垣谷であったがここで戦闘プログラムをONにしたディーヴァと戦闘開始、腕の内部に火器を備えた垣谷は彼女を追い詰めるも逆に彼女からあなたには最高の歌を聞かせられないと動揺され戦意を喪失してしまう。

アントニオの言葉を聞いたマツモトは電磁線プログラムを打ち破り、全ての複製体がディーヴァに追いついたこともあり100%戦えるようになった、ここにディーヴァとマツモトはそれぞれのシンギュラリティ計画を同時進行で実行に移していく。

アントニオと垣谷はどちらも与えられた使命に忠実に従うことこそが崇高であると理想のAI像を描いていたが、結局はどちらも破壊された、その際、わずかに残されていたオフィーリアはアントニオに対する思いを吐露し、垣谷はあの事故の時に自分を助けてくれた先生に対する疑問を並べ、ディーヴァに対する呪詛の言葉を残していた。

だが、もうディーヴァは手遅れになっていて人格が消えることが確定した彼女はマツモトにヴィヴィを託しひとりステージで歌いきり、40年間ずっとアーカイブの中で籠っていたヴィヴィへメッセージを残したのち、ディーヴァの人格も完全に消滅した。

ヴィヴィは活動を再開したが、ディーヴァからのメッセージに苦悩することになるのであった。

あ、この垣谷ユウゴを名乗る男は息子とかそういうのではなくてメタルフロートで負傷したことや、おっさんになって体力が低下して動かせなくなってしまったこともあり、彼の意思をそのままプログラムに移植したAIなのか。

アントニオは理想のAI像を追い求めた結果、オフィーリアを未熟なAIとして切り捨て自らが彼女になりきることにして、垣谷も幼い頃に遭遇した事故で、教え子を守るためにピアノを教える自らの使命を果たし犠牲になったピアノの先生を見てAIはプログラムの通りに使命を忠実にこなすよりも俺の意のままに動けばいい、とAIを壊して回る反AI思想を持つに至ったってことか。

と人間、AIの双方がAIと共存して行く中で理想像を抱くようになったことが描かれたわけだけど、よく見ると人間の側はAIは俺の命令の通りに動けと考え、他方ではAIの側はAIは与えられた使命に忠実であれと双方綺麗に理想像が反転してたなこれ。

オフィーリアの自戒を止めるとはいえこんな結末になってしまうのね、たしかに彼女の「自戒」は避けられたけれど、結局やっぱり破壊されちゃったしな。

だが個人的に理想論をえんえんと語られるのは好きではないのよね、そんな理想の通りにいかないから現実はおもしろいと考えているから。

とここまで考えたところで、垣谷はヴィヴィから答えを聞いたところでどうするつもりだったんだろうか。

アントニオはオフィーリアとして歌って人気が出たところで本当にそれでいいのか?未熟な彼女こそ伸び代がある、みたいなことを思わなかったのか、いや、思ったからこそ自分のやり方は間違っていたと自戒を選んだのか。

しかし第9話、全体の3/4まで来て歴史を何度か修正してもいまだに人間とAIの戦争が回避される兆候が出てこないなんて。

たしかに戦争が起きる「100年後」の未来までまだ40年あるからね、40年あれば充分人間とAIの戦争が回避する未来になりえるのかもしれないが、逆に考えると60年経過してもなお40年後に起きる人間とAIの戦争が回避されないとも言えるのよね。

言葉にしづらいけれども、やっぱり「100年後に起きる結果、未来は100%現段階ですでに確定して」いて、当作品だとAIによる人間を抹殺する戦争が起きる「結果」は100年前、本編でいう第1話の物語開始時点ですでに起きることが決まっている、シンギュラリティポイントはその結果、未来に向かうための「原因」、経由地だってことになるのよ。

で、その原因となる事象を回避したら、回避したほうが新たに原因となる事象になる、正確に言うと今の我々が100年後の未来を見ることはできないから、どれが未来に起きる事象の原因になってるのかは分からない。

パラレルワールドもSF作品ならワープしたり何なりで見えるけれど現実では絶対に見えない、見えないものは存在しない。

並行宇宙に関する研究はいまも行われていてパラレルワールドも実際に存在してる可能性もなくはないが、現段階では存在する証拠はない。

ただ、言えるのは今現在の行いにより100年後の未来は本人のしらずしらずのうちにこの瞬間に確定しているってこと。

だから、ディーヴァがヴィヴィとして戦争を止めるためにマツモトとともに何度も介入したこと、これが逆に未来において戦争が発生する原因になっている、本人の知らないうちに確定してる未来への経由地になってしまっている、もし介入がなければ結果論的にこの戦争は避けられた(実際はどうやっても未来は確定してるから避けられないんだけど、現代の人間が100年の時間を経過した時にあそこであそこでってまるで未来を先に知っていたかのような事後諸葛亮になる結果論ね)のではないか、ってことになる。

しかしほんとにアレよね、当作品の登場人物が介入すればするほど起きることを避けたい未来が確実に起きる方向に近づいていってるよね、とりわけ歌でみなを幸せにする、その使命で誕生したディーヴァの記憶がなんとここで打ち込まれた消去プログラムにより消去されたっていうんだから。

もはやAIの使命や歌を歌うことどうこうどころの話じゃないじゃん、ディーヴァにマツモトによりヴィヴィっちゅう二つ目の人格が生まれたと思ったら、60年後にディーヴァの人格が消去されたことで完全にヴィヴィに置き換えられちゃったんだもの。

ヴィヴィが歌っても、彼女には歌でみなを幸せにする使命はないからディーヴァの置き土産に悩んでも悩んでも答えが出ることはなく、もはや何回歌声を聞いてもそれは歌ではなく声による音階データにしかならないってことでしょ。

心を込めて歌うとはどういうことか?以前の話になるじゃない。

60年経ってもずっと引きずりっぱなしで、人格が変わって人気者になっていたディーヴァや妹分のオフィーリアと彼女の人格を乗っ取ってまで高い理想像を実現しようとしたアントニオが出てきても、ディーヴァがヴィヴィに歌いながらアーカイブのなかでメッセージを伝えてもなお自分なりの答えは出んのかい!ってなっちゃった。

これからはヴィヴィが個人で使命について考えていく番だ、とそういう仕掛けなのかもしれんが、どういうふうに脚本家はこの後の結末やAIの使命を描くつもりなんだろうか?

歌がどうこうって悩みをえんえんずーーっと勿体ぶってるけれども、答えは脚本家の解釈次第で一瞬で描けるんですよ。

ヴィヴィが自分の使命とは裏腹に戦争が起きてしまうなるすでに確定されていた未来が起きる結末になるも今度はそこで歌を歌いディーヴァの使命を全うするって流れになるんだろうが、その過程のところの話ね。

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